音楽事務所に入るためには、路上ライブでスカウトの人に声をかけてもらうか、オーディションに応募するかになるでしょう。
とにかく音楽事務所はたくさんありますが、メジャーデビューにつながるところは、とても少ないと言わざるを得ません。メジャーデビューを目指さないのであれば安全な音楽事務所ならどこでもかまいませんが、メジャーデビューを目指しているのにレコード会社のプロデューサーと接点がないところに所属してしまっては、メジャーデビューへの挑戦もそこで終了決定となります。
音楽事務所のサイトからはメジャーデビューのしやすさはわかりません。日常的にアーティストをメジャーへ送り出している音楽事務所は、例えアーティストがメジャーデビューしても、いちいち大げさに騒ぎ立てたりしないからです。
目安のひとつとして設立してからの年数というのがあります。
実際のところ、音楽事務所の多くが1年ほどであっけなく倒産してしまうのです。とりあえず設立して三年以上の音楽事務所なら、所属後すぐに倒産して新しい音楽事務所を探し直しという時間のロスは回避しやすいでしょう。
あとは何年も所属しているアーティストがいるのならば、メジャーデビューに向けて迷いなく努力できる環境があると推測できますし、アーティストがすぐに辞めてしまって新人しかいないというのであれば、所属したアーティストから、ここの音楽事務所ではメジャーデビューは無理だと見限られてしまっているのかもしれません。
また、アーティストを次々とメジャーデビューさせているレーベルは、事務所には全くお金を掛けず、その分の予算も全て、アーティストのために使っていたりします。
ですから、音楽事務所を選ぶときに、事務所の規模に気を取られないこともポイントです。
いま大ヒットを飛ばしているアーティストの所属している音楽事務所が、数年前には四畳半ひと間のアパートだったり、それとは逆に、ビルの一室にあるリッチな音楽事務所が、満足にメジャーデビューさせることもできずに、わずか数年で倒産してしまうという現実を理解すべきです。
その会社のカラーや方向性、これが自分の音楽スタイルと合っているかどうかも重要です。どんな音楽事務所にも一長一短があります。アーティストのことをちゃんと考えてくれる誠実で信頼できる音楽事務所かどうか、まずはそれこそが大前提になります。
誠意のある音楽事務所は、できることもできないことも、正直に話してくれます。逆に自社の凄さやメリットばかりを強調してきたり、「よその会社に行ってもメジャーデビューは難しいよ」などと言うような音楽事務所では、メジャーデビューどころか、何をさせられるかわからない危険すらあります。
メジャーの世界は、礼をわきまえた一流の人々の集まりです。ですから、そのレーベルの社長はもちろんのこと、社風に「謙虚さ」が感じられるかどうか、それだけはきちんと判断すべきです。