実際、大活躍しているメジャーアーティストの中にも、路上ライブ出身者は少なくありません。
路上ライブをやっていると、ときどきスカウトの人が声をかけてくることがあります。このときの対応が将来を分けます。
まず、音楽業界の人たちは年齢よりもかなり若く見えることが多いです。ですから、自分たちと同じくらいの年齢の人が声をかけてきたからと軽くみてはなりません。実際には10も20も年上だったり、しかもレーベルのプロデューサーだったりすることさえ珍しくないのです。
もし、いかにも偉そうな人が声をかけてくるまで待っているとしたら、それはチャンスを逃しに逃しまくっていることになります。
とにかく路上で声をかけられたら名刺の交換をすることが大事です。もし、名刺を持っていないような人から声をかけられたら無視してもかまいません。
帰宅したら、必ずその日のうちに、お礼のメールを送るようにします。もし、メールアドレスを持っていないような人から声をかけられたら無視してもかまいません。(経験上、ミクシィなどのSNSでしか連絡を取りたがらない人はアーティストとのトラブルが多いような印象があります。)
できるだけ早いうちに(忘れられないうちに)詳しい話を聞かせてもらえないかとアポを取ります。受け身ではダメです。こちらから積極的に行動することが大事です。引く手あまたの有力な音楽事務所は、わざわざ音楽事務所から行動を起こさなくてはならないほどアーティストには不自由していないのです。
もし女性のソロアーティストであれば、未成年であろうとなかろうと、音楽事務所の人と会うときには親御さんについてきてもらうのが安全です。何もわからないところへ気軽にひとりで出かけていってトラブルに巻き込まれないとも限りませんので、最初は十分に注意しておくにこしたことはありません。
上京しての一人暮らしなどで、どうしても親御さんのご都合がつかなかったりする場合には、打ち合わせの場所は事務所ではなく、駅近くの喫茶店などにしてもらうようにします。
その後のことについては、次の「音楽事務所のオーディション」をご覧ください。
ところで、ハコのライブでスカウトの人から声をかけられる場合もありますが、その確率は極めて低いです。なにしろハコのライブには、音楽業界の人はほとんどいないからなのです。
なぜなら音楽事務所で働いているというだけで、あちこちから無料招待が次々にやってきますから、そもそもお金を出してライブハウスに行くことなど考えもしませんし、いつも、うんざりするくらい素人の歌を聞かされていますので、よっぽど頼まれでもしない限り、無料招待ドリンク付きでも行きたがらないというわけです。
ただし、ライブハウスがレーベルへのコネクションを持っている場合などは、そうしたところから話が展開していくこともあります。