メジャーデビューを目指すなら、曲を作り込んだり歌のテクニックを磨くよりも大切なことがあります。みんなから無理だと言われてもメジャーデビューを諦めない、そんなアーティストへ贈るメッセージです。
メジャーデビューnaviは、どうしてもメジャーデビューをしたいという強い思いを持っているアーティストのために公開しています。
しかしながら、もちろんこのサイトに書いていることがメジャーデビューをするための唯一の手段ではありません。
目的地に辿り着くための手段には様々なルートがあります。険しくも最短距離の道、なだらかな遠回りの道、いちかばちかの危険な道……。
アーティストによって、それぞれ、どの道でメジャーデビューを目指すのが合っているかも違ってくるかと思います。ですが、どんな道を選ぶにしても、ナビゲーションがあるとないとでは大違いだと思うのです。
このサイトはメジャーデビューへのナビゲーションとして、メジャーデビューに続く何通りもの道の中から、どのルートが自分に合っているのか、その決断のための助けとなれることを目的としています。
メジャーデビューに必要なものは何だと思いますか?ルックス?歌唱力?曲づくりのテクニック?
多くのアーティストが自らの技術に磨きをかけ、そのままCDにできるようなクオリティの曲を追求していると思います。
でもはたしてそれでメジャーデビューに近づいているでしょうか。
メジャーはビジネスの世界です。極論で言えば、高度な演奏の技術とか、歌のクオリティとか、そんなことは問題ではありません。結局はレコード会社に利益が出るかどうかだけなのです。
ここの認識がずれていると、いくら努力をしても、メジャデビューできるかどうかは運まかせ、人まかせになります。それは極めて勝率の低いギャンブルのようなもので、人生を賭けるにはあまりにも無謀です。
アーティストがレコード会社の立場にならないかぎり、何か歯車が噛み合っていない気がしたり、「本当に今のままでいいんだろうか」という思いにかられることになるでしょう。何もないまま、ただ10年、20年と、年齢を重ね、いつしかメジャーデビューを諦めることになってしまうかもしれません。
このサイトにはテクニカルなアドバイスはいっさいありません。このサイトに書かれていることは、ミュージシャンとして音楽業界へ入った方々のアドバイスとは、全く違ったものになるかもしれません。
それでもこのサイトの言葉に耳をかたむけてくれる素直なあなたは、少なくともメジャーデビューに必要な条件のひとつは備えていると言えるでしょう。
メジャーデビューの価値とはなんでしょう。今やインディーズアーティストでも全国の大手CDショップで店頭販売をしたり、インストアライブをすることができるようになってきました。大きなイベントにだって参加することができますし、ラジオ番組を持つこともできます。
ではメジャーデビューの価値とは何かというと、やはりそれはステータスではないでしょうか。オリコンのインディーズチャートではなく、メジャーのチャートで憧れのアーティストと同じ立場で勝負することにワクワクしませんか?こうしたアーティストと競演したいとは思いませんか?
アニメやドラマの主題歌、CM、そうしたこともメジャーなら優遇してもらえるでしょう。
とはいえ、そうしたことさえも絶対ではなくなりました。何しろ今はインディーズのアーティストがメジャーアーティストを押さえてセールスランキングのトップに躍り出たり、紅白にさえ出場している時代なのですから。
もっとも、こうした偉業を実現しようと思うならば、今はまだメジャーの方が比べものにならないくらい有利なのは間違いありません。
本気でメジャーデビューを目指しているアーティストでさえも、メジャーデビューについて漠然としたイメージしか持っていない場合がとても多いのが現状です。
これはメジャーと呼ばれる領域が、とても閉鎖的な世界であるためでしょう。
先の通り、インディーズでも全国のCDショップでCDを販売することはできますし、ラジオやテレビに出演することもできます。
ではメジャーとインディーズは何が違うかというと、それはオリコンのチャートが、メジャーで集計されるか、インディーズで集計されるかということが、一番わかりやすい説明になるかと思います。
私たちはメジャーについて、もう少し複雑な解釈を持っていますが、とりあえずはオリコンのことだけ覚えておけば問題ありません。
かつてはアーティストなら誰もが目標に掲げたメジャーデビュー。しかし、今はメジャーデビューを目指すアーティストもかなり少なくなってしまった印象を受けます。
「大変そう」「責任の大きさにプレッシャーを感じる」「楽しければそれでいい」「無理に決まっていることに無駄な努力はしたくない」
私たちにとっては嘆かわしいとしか言いようのない状況ではありますが、これも時代の流れ、現実は現実として、しっかり受け止めなくてはなりません。
それではライバルが少なくなってメジャーデビューがしやすくなったかというと、そうでもないのです。
それはレコード会社が送り出す新人の枠が激減しているためです。ダウンロード曲もCDも売れない時代、生き残りを賭けて経営もいっそう慎重になっています。
メジャーのレコード会社がインディーズレーベルと最も違うのは会社の構造です。インディーズレーベルの経営者はたいていの場合、音楽のスペシャリストで、メジャーの世界で修羅場をくぐってきた方も少なくありません。
ところがメジャーのレコード会社では経営者は音楽とは無縁であるのが普通です。経営と制作が明確に分かれているのです。つまり経営陣に歌のクオリティを訴えても無意味ということなのです。
メジャーデビューの実質的な権限はプロデューサーにありますが、プロデューサーが説得力のあるプレゼンをするためには、歌が素晴らしいという抽象的な理由ではなく、どのような根拠で利益をあげられるアーティストであるかを示さなくてはならないのです。
アーティストがそこまで意識して活動するのはとてもたいへんですし、もはやアーティストの仕事でもありません。
そこで必要になってくるのが音楽事務所です。抽象的な価値を具体的な価値にして示すことで、レコード会社と交渉ができるようになります。
そして音楽事務所にはもうひとつの裏技があります。それは売れなかった場合の損失を音楽事務所が引き受ける代わりに所属アーティストをデビューさせるというものです。
つまり音楽事務所が経費を支払うことで、レコード会社は確実に利益を出すことができ、売れたらさらに利益を得ることができるということになります。
現在ではレコード会社が新人に予算を出すことは極めて少ないため、メジャーから新人がデビューするには、こうした契約が主流になっています。
実際にメジャーデビューをするためにはどんな方法があるのか、まずはそれをお話したいと思います。
なんといっても王道中の王道は、レコード会社が開催するオーディションです。もちろん、これに参加しない手はありません。いつも情報に注意し、募集があれば一番乗りするくらいの勢いで、即、応募すべきです。
応募資料でもっとも大切なのはプロフィール写真です。見ただけで、アーティストの世界観、音楽性、センス、そういったものが一目瞭然となる写真をなんとしてでも用意しておきます。
さて、レコード会社のオーディションは王道ではありますが、メジャーを目指すアーティストのほとんどが、この方法しか知りません。
つまり、応募がここに集中することになります。加えて、レコード会社は、よほどでなければ予算を出したがりません。可能な限りアーティストか音楽事務所に出してもらいたいのです。そうなると必然的に採用されるアーティストの枠は、ごくわずかとなります。
応募が集中し、枠も少ない、これはまさに宝くじ。いろいろな要素が複雑に作用するため、実力だけでどうにかなるものではありません。
つまり、応募はすべきですが、あてにすべきではない方法と言えます。
様々な技術を身に付けることのできるスクールもメジャーデビューへ続くルートのひとつです。
中でもボイストレーニングと、ギターやピアノで弾き語りができる技術は、歌を仕事にしたいと考えているアーティストにとって極めて重要な科目です。
スクールを卒業したことが、オーディションで評価の対象となることはまずありませんが、スクールでは音楽業界のキーマンを招待してプレゼンライブを行いますので、これがメジャーへつながる道となります。
このプレゼンライブに、どんな会社のどんな立場の人を何人くらい呼べるか、それがそのスクールの音楽業界での立場を表します。
ところで、メジャーアーティストを多く輩出しているスクールばかりが良いとは限りません。10人デビューしているけれど100人の生徒がいるスクールよりも、5人しかデビューしていないけれど生徒が10人というスクールの方がデビューしやすいという理屈です。
路上ライブはメジャーデビューに直結する活動と言えます。実際、大活躍しているメジャーアーティストの中にも、路上ライブ出身者は少なくありません。
路上ライブをやっていると、ときどきスカウトの人が声をかけてくることがあります。このときの対応が将来を分けます。
まず、音楽業界の人たちは年齢よりもかなり若く見えることが多いです。ですから、自分たちと同じくらいの年齢の人が声をかけてきたからと軽くみてはなりません。実際には10も20も年上だったり、しかもレーベルのプロデューサーだったりすることさえ珍しくないのです。
もし、いかにも偉そうな人が声をかけてくるまで待っているとしたら、それはチャンスを逃しに逃しまくっていることになります。
とにかく路上で声をかけられたら名刺の交換をすることが大事です。もし、名刺を持っていないような人から声をかけられたら無視してもかまいません。
帰宅したら、必ずその日のうちに、お礼のメールを送るようにします。もし、メールアドレスを持っていないような人から声をかけられたら無視してもかまいません。(経験上、ミクシィなどのSNSでしか連絡を取りたがらない人はアーティストとのトラブルが多いような印象があります。)
できるだけ早いうちに(忘れられないうちに)詳しい話を聞かせてもらえないかとアポを取ります。受け身ではダメです。こちらから積極的に行動することが大事です。引く手あまたの有力な音楽事務所は、わざわざ音楽事務所から行動を起こさなくてはならないほどアーティストには不自由していないのです。
もし女性のソロアーティストであれば、未成年であろうとなかろうと、音楽事務所の人と会うときには親御さんについてきてもらうのが安全です。何もわからないところへ気軽にひとりで出かけていってトラブルに巻き込まれないとも限りませんので、最初は十分に注意しておくにこしたことはありません。
上京しての一人暮らしなどで、どうしても親御さんのご都合がつかなかったりする場合には、打ち合わせの場所は事務所ではなく、駅近くの喫茶店などにしてもらうようにします。
その後のことについては、次の「音楽事務所のオーディション」をご覧ください。
ところで、ハコのライブでスカウトの人から声をかけられる場合もありますが、その確率は極めて低いです。なにしろハコのライブには、音楽業界の人はほとんどいないからなのです。
なぜなら音楽事務所で働いているというだけで、あちこちから無料招待が次々にやってきますから、そもそもお金を出してライブハウスに行くことなど考えもしませんし、いつも、うんざりするくらい素人の歌を聞かされていますので、よっぽど頼まれでもしない限り、無料招待ドリンク付きでも行きたがらないというわけです。
ただし、ライブハウスがレーベルへのコネクションを持っている場合などは、そうしたところから話が展開していくこともあります。
音楽事務所との接点はメジャーデビューにとって最も重要です。音楽事務所に入るためには、路上ライブでスカウトの人に声をかけてもらうか、オーディションに応募するかになるでしょう。
とにかく音楽事務所はたくさんありますが、メジャーデビューにつながるところは、とても少ないと言わざるを得ません。メジャーデビューを目指さないのであれば安全な音楽事務所ならどこでもかまいませんが、メジャーデビューを目指しているのにレコード会社のプロデューサーと接点がないところに所属してしまっては、メジャーデビューへの挑戦もそこで終了決定となります。
音楽事務所のサイトからはメジャーデビューのしやすさはわかりません。日常的にアーティストをメジャーへ送り出している音楽事務所は、例えアーティストがメジャーデビューしても、いちいち大げさに騒ぎ立てたりしないからです。
目安のひとつとして設立してからの年数というのがあります。
実際のところ、音楽事務所の多くが1年ほどであっけなく倒産してしまうのです。とりあえず設立して三年以上の音楽事務所なら、所属後すぐに倒産して新しい音楽事務所を探し直しという時間のロスは回避しやすいでしょう。
あとは何年も所属しているアーティストがいるのならば、メジャーデビューに向けて迷いなく努力できる環境があると推測できますし、アーティストがすぐに辞めてしまって新人しかいないというのであれば、所属したアーティストから、ここの音楽事務所ではメジャーデビューは無理だと見限られてしまっているのかもしれません。
また、アーティストを次々とメジャーデビューさせているレーベルは、事務所には全くお金を掛けず、その分の予算も全て、アーティストのために使っていたりします。
ですから、音楽事務所を選ぶときに、事務所の規模に気を取られないこともポイントです。
いま大ヒットを飛ばしているアーティストの所属している音楽事務所が、数年前には四畳半ひと間のアパートだったり、それとは逆に、ビルの一室にあるリッチな音楽事務所が、満足にメジャーデビューさせることもできずに、わずか数年で倒産してしまうという現実を理解すべきです。
その会社のカラーや方向性、これが自分の音楽スタイルと合っているかどうかも重要です。どんな音楽事務所にも一長一短があります。アーティストのことをちゃんと考えてくれる誠実で信頼できる音楽事務所かどうか、まずはそれこそが大前提になります。
誠意のある音楽事務所は、できることもできないことも、正直に話してくれます。逆に自社の凄さやメリットばかりを強調してきたり、「よその会社に行ってもメジャーデビューは難しいよ」などと言うような音楽事務所では、メジャーデビューどころか、何をさせられるかわからない危険すらあります。
メジャーの世界は、礼をわきまえた一流の人々の集まりです。ですから、そのレーベルの社長はもちろんのこと、社風に「謙虚さ」が感じられるかどうか、それだけはきちんと判断すべきです。
メンバー構成や音楽ジャンルによって、メジャーデビューまでの年数や難易度は、劇的に変わってきます。
もっともメジャーデビューをしやすいのは演歌歌手です。ただし、演歌歌手がメジャーデビューしやすいのは演歌が簡単だからではなく、演歌歌手になれるほどの人材が不足しているからだということを間違えてはなりません。
演歌歌手でメジャーデビューを目指すなら、厳しい修行は覚悟しなくてはなりませんが、人間性や芸を高めるためなら、どんな苦難も乗り越えてみせるというアーティストにとって、演歌歌手は一考に値するスタイルです。
デビューは簡単ではありませんが、いったん決まれば展開の早いアーティストです。体育会系そのもので、学生時代に努力と根性の世界で生きてきた10代の美男美女なら、天職に思えるかもしれません。
レコード会社や音楽事務所にとっては、もっともありがたいスタイルがソロシンガーです。メジャーデビューの決まったバンドのボーカルとして差し替えたり、イケメンユニットにしたり、会社のコンセプトに合わせて展開することもあるでしょう。
一般的には10代の美男美女である必要がありますが、会社がインパクト重視のコンセプトを打ち出したときなどは、思いがけない抜擢も起りえます。
弾き語りができたり、ずば抜けた歌唱力など、特筆すべきポイントがあれば、20代後半でもメジャーデビューのチャンスを与えてくれるレーベルもあります。
作詞作曲に加えて弾き語りのできるアーティストは、しばしば特別待遇を受けます。もっとも堅実に出世しやすいアーティストで、たとえ自分の歌が売れなくても、アイドルや声優が歌うアニソンやCMソングの楽曲提供で大成功することもあります。
また、アイドルやソロシンガーに比べて圧倒的に収入が多いこともあり、シンガーソングライターは生涯現役という人も少なくありません。同性にも支持されていれば結婚後も安定した人気を保ち続けることができるのも特徴です。
メジャーデビュー候補としては、容姿や年齢について、アイドルやソロシンガーほどシビアではない場合が多いです。
バンドでメジャーデビューをするのが最も難しく、時間もかかりやすいと言えます。
それだけでなく、せっかくメジャーデビューが決まっても、メンバー全員がデビューできるとは限りませんし、曲とボーカルだけを残して、後は若くてルックスの良いミュージシャンに入れ替え、あるいは、その逆もあります。
バンドは結成してからデビューまでに10年くらいかかることも珍しくありませんから、20代で結成すると、女性ボーカルをアイドルに代えられてしまうことも考えておかなければなりません。
さらには音楽性の違いだったり、ただでさえ少ない収入を人数で割ったり、もめごとの種も絶えません。もし解散でもしようものなら、作詞と作曲を担当したメンバーは印税生活ですが、その他のメンバーは不公平な待遇を余儀なくされます。
バンドでメジャーデビューを目指すなら、こうしたことを受け入れられるような心構えは絶対に必要となります。
メジャーデビューには多額の費用が必要です。無料でチャンスをくれるレーベルもありますが、今の時代、それは例外と言えます。
オーディションを開催している会社の多くが、メジャーデビューに必要な費用の個人負担を実費として別途請求していますし、そのことはメジャーデビュー目前になるまで何も言われないままというのが普通です。
本気でメジャーデビューを目指すのなら、いつ費用を請求されても良いように、今のうちからしっかり働いて貯金しておくか、費用が掛からないことを明記してあるレーベルを探すべきです。
メジャーでのリリースは実費だけでもかなりの額になりますが、CDのプレスひとつとっても、メジャークオリティの指定工場でプレスしなくてはなりませんし、ジャケットや盤面のデザインや写真もインディーズのようにはいきません。
カタログに載せる費用だけでもインディーズCDなら千枚プレスできてしまうくらいです。とにかく自主制作盤を作るときの予算は、全くメジャー予算の参考にすらならないくらい、多くの費用が必要となるのです。
ですから、売れるかどうかわからないCDに予算を掛けていれば音楽事務所など簡単に倒産してしまいます。この点についてはアーティストも良く理解しておく必要があるでしょう。
日常的にメジャーのアーティストと関わっている音楽事務所の面接で「夢はメジャーデビューすることです!」なんて言ったら、メジャーデビューは通過点に過ぎないと言われることでしょう。
メジャーで一枚リリースしたら満足してしまうくらいなら、メジャーデビューなんて目指す必要はないと思います。
本気でメジャーデビューを目指すなら、メジャーでオリコン一位を狙ってください。それこそが今の音楽業界が必要としているアーティストなのですから。